それが愛と呼べるなら3・32
当サイトはBL・MLと言った男性同士の恋愛・性描写を含む内容になっています。
苦手な方、間違って迷い込んでしまった方は、そのままブログを閉じて下さいね。
何時何処に性描写が含まれるか判らない為、当ブログは成人指定(20歳以上、又は、自己責任に措いて高校を卒業した18歳以上)とさせていただきます。
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それが愛と呼べるなら3・32
――テレビの中では良く目にする、取調室の横の子窓から、龍太はそっと顔を覗かせる。
確かに、正面から顔を見はしたけれど、口元はパーカーで隠されていた物だから、直ぐにはピンと来なかった。
それでも、手で口の辺りを隠すようにして、その目元が記憶にある物だと確信する。
「――やっぱり、この男だ…」
襲われた時の事を思い出し、ゾク、と背が震えた。
「と言う事は、こいつが言ってるのは、やはり友杉さんの事で間違いないですね」
一緒に見ていた小田は、労うように龍太の肩に手を乗せて頷く。
「…でも、どうして? どうして俺が、オーナーに誰かを裏切らせたなんて、そんな勘違いされてるのか、本当に、全然判らないんですけど…」
「…それは今、調べています」
小田は、既に城野から聞いた「可能性」について、調べ回っていた。
夜には弓彦にも会って、話しを聞く手筈になっている。
「あの…」
龍太は、ふっと思いつき、気まずそうに小田に呼び掛ける。
「なんでしょう?」
「…この人、単独犯…ですよね? …もう、オーナーが襲われるとか、…無いですよね…?」
男の冷たい眼差しを見て、龍太は一昨日の朗の身体を染めていた血の色を思い出した。
あの血の殆どは、朗の物では無いとは言え、実際に人が流した血には違いない。
もし、また襲われるような事があったら――、そう思うと、寒気さえ感じてしまう。
「まだ絶対とは言えませんが、言動からしても、先ず仲間は居ないと見ています。…もし不安でしたら、暫く護衛をつけましょうか?」
「…え? …いえ…、それはオーナーが決める事ですよね?」
単独犯なら――…、とほっとしたけれど、続けて小田が言った言葉に、龍太は目を瞬かせて、聞き返した。
「――…ああ、いや、貴方に、です。友杉さん」
「……どうして、俺??」
「…え? ―――あー…。…ご自分も襲われていますでしょう?」
小田は龍太が、自分にもまた被害が及ぶかも知れないと言う懸念を抱いているのかと思ったのだけれど、――龍太の反応はそうではなくて。
――小田も、若くても刑事の端くれだ。龍太の抱いた不安が、何処へ向いているのかと言う事は、直ぐに気が付いてしまった。
「―――…阿倍野さんでしたら、大丈夫ですよ」
ぽん、と再び肩に手を乗せ、笑みを浮かべる。
自分の事よりも、朗の事を心配していて、――自分でその事に気付いて居ないらしい。
(…成る程…。強ち妄想でもないのかも…?)
チラ、と、小窓の向こうの榊を見遣る。
朗と龍太の二人が、恋人関係で無い事は確認している。
――けれど、あの事件の日の龍太の驚き方は尋常では無かったし、今の言動を考えると、――気が無いとは思えない。
そして、朗も。
――龍太を送って行くと言った後、朗は朝まで戻って来なかった。
その時、龍太と共に居たのかは小田には判らないけれど、――戻って来た時に、店長の富田と話していた内容を思うと、――朗も、ただ、「スタッフを巻き込んでしまった」と言うだけには留まっていない心配のしようだったように思える。
(兎に角あいつの様子をマメに報告してくれ――…って、必死だったもんなぁ…。…あの阿倍野さんが…)
「―――…なら、いいんですが…」
小田がきっぱりと大丈夫と言ったのを、龍太は、既に護衛が付いているのだと勘違いして、僅かにほっとしたような顔を見せた。
「――今日はご協力、有難う御座いました。ご自宅まで送って行きます。」
「え? ああ、帰りは一人で…」
「いいえ、そう言う訳には行きませんから」
――危険な事も無いのなら、一人で帰ると言っても問題は無いのだけれど。
朗の必死な様子を思い出してしまった手前、一人で帰す訳には行かなかった。
「――そうか」
溜息を混じらせて、朗は短く答えた。
小田からの連絡で、龍太を襲った犯人と、朗を襲った榊と言う男が同一人物だと、連絡があったのだ。
つまり、やはり龍太は、朗の知らない所で、朗の事件に巻き込んでいたと言う事だ。
被害者でしかないのに、自分のせいだと泣いていた龍太を思い返し、朗は小さく舌打ちをした。
『…それから、――これから、高藤さんともお会いします』
「―――弓彦と…? …そうか」
昨日城野が言っていた事を思い出し、立て続けに溜息の交じる返事を返す。
――もし、この事件に弓彦が関係していたとしたら、――例え間接的にと言えど、きっと胸を痛めるだろう。
そう考えてから、自分の考えに呆れて苦笑した。
(てめぇで散々傷付けといて――…)
そう、傷付けたのは自分だ。
そう思えば、あの榊と言う男が本当に弓彦のストーカーだったのならば、弓彦の代わりに朗に制裁を与えただけなのだと、渋々であれ、納得する事も出来る。
――しかし、それは、自分だけが被害に遭っていたらの話しだ。
龍太を巻き込み、城野を巻き込んだ事は、許す事は出来ない。
城野はまだ、偶々、偶然、一緒になってしまった上での事だけれど、龍太は完全に、意図を持って狙われたのだから、尚更だ。
『―――…阿倍野さん、聞いてます?』
「――…済まん、考え事をしてた」
強めの声で名を呼ばれてはっとした。
朗は、まだ話し中であった事を忘れて考えを巡らせていて、数言、小田の話しを聞き飛ばしていたらしい。
『――…いえ。…大した事では無いので、気になさらず。…ああ、そうだ。…友杉さんは、ちゃんとご自宅まで送りましたからね。――では、また何かあったらご連絡します』
「――ああ…、頼む」
ほんの少し、含みのある物言いだったけれど、小田はそれを誤魔化すように言葉を続ける。
朗は、返事とも付かない返事を返しながら、プツリと、電話を切った。


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拍手コメントのお返事です。
H 様。
有難う御座います。吠えている時と甘ったれの時のギャップはもう、正に「わんこ」を目指して書いております(笑)
似て無いにも程がある、端から端の双子ですよね。猪突猛進なのに後ろ向きって言葉に、全くその通りだと笑わせていただきました!
…時系列的に、そろそろ朗にも動きが無いと困るんですよね(ぇ)なのに何故動いてくれないんだ…ッ!!(くっ)
城野の退院までには事件も解決…つまり、二人にも進展がないと不味いと言うのにー!(笑)
…頑張りますが、長くはなる覚悟です(笑)
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確かに、正面から顔を見はしたけれど、口元はパーカーで隠されていた物だから、直ぐにはピンと来なかった。
それでも、手で口の辺りを隠すようにして、その目元が記憶にある物だと確信する。
「――やっぱり、この男だ…」
襲われた時の事を思い出し、ゾク、と背が震えた。
「と言う事は、こいつが言ってるのは、やはり友杉さんの事で間違いないですね」
一緒に見ていた小田は、労うように龍太の肩に手を乗せて頷く。
「…でも、どうして? どうして俺が、オーナーに誰かを裏切らせたなんて、そんな勘違いされてるのか、本当に、全然判らないんですけど…」
「…それは今、調べています」
小田は、既に城野から聞いた「可能性」について、調べ回っていた。
夜には弓彦にも会って、話しを聞く手筈になっている。
「あの…」
龍太は、ふっと思いつき、気まずそうに小田に呼び掛ける。
「なんでしょう?」
「…この人、単独犯…ですよね? …もう、オーナーが襲われるとか、…無いですよね…?」
男の冷たい眼差しを見て、龍太は一昨日の朗の身体を染めていた血の色を思い出した。
あの血の殆どは、朗の物では無いとは言え、実際に人が流した血には違いない。
もし、また襲われるような事があったら――、そう思うと、寒気さえ感じてしまう。
「まだ絶対とは言えませんが、言動からしても、先ず仲間は居ないと見ています。…もし不安でしたら、暫く護衛をつけましょうか?」
「…え? …いえ…、それはオーナーが決める事ですよね?」
単独犯なら――…、とほっとしたけれど、続けて小田が言った言葉に、龍太は目を瞬かせて、聞き返した。
「――…ああ、いや、貴方に、です。友杉さん」
「……どうして、俺??」
「…え? ―――あー…。…ご自分も襲われていますでしょう?」
小田は龍太が、自分にもまた被害が及ぶかも知れないと言う懸念を抱いているのかと思ったのだけれど、――龍太の反応はそうではなくて。
――小田も、若くても刑事の端くれだ。龍太の抱いた不安が、何処へ向いているのかと言う事は、直ぐに気が付いてしまった。
「―――…阿倍野さんでしたら、大丈夫ですよ」
ぽん、と再び肩に手を乗せ、笑みを浮かべる。
自分の事よりも、朗の事を心配していて、――自分でその事に気付いて居ないらしい。
(…成る程…。強ち妄想でもないのかも…?)
チラ、と、小窓の向こうの榊を見遣る。
朗と龍太の二人が、恋人関係で無い事は確認している。
――けれど、あの事件の日の龍太の驚き方は尋常では無かったし、今の言動を考えると、――気が無いとは思えない。
そして、朗も。
――龍太を送って行くと言った後、朗は朝まで戻って来なかった。
その時、龍太と共に居たのかは小田には判らないけれど、――戻って来た時に、店長の富田と話していた内容を思うと、――朗も、ただ、「スタッフを巻き込んでしまった」と言うだけには留まっていない心配のしようだったように思える。
(兎に角あいつの様子をマメに報告してくれ――…って、必死だったもんなぁ…。…あの阿倍野さんが…)
「―――…なら、いいんですが…」
小田がきっぱりと大丈夫と言ったのを、龍太は、既に護衛が付いているのだと勘違いして、僅かにほっとしたような顔を見せた。
「――今日はご協力、有難う御座いました。ご自宅まで送って行きます。」
「え? ああ、帰りは一人で…」
「いいえ、そう言う訳には行きませんから」
――危険な事も無いのなら、一人で帰ると言っても問題は無いのだけれど。
朗の必死な様子を思い出してしまった手前、一人で帰す訳には行かなかった。
「――そうか」
溜息を混じらせて、朗は短く答えた。
小田からの連絡で、龍太を襲った犯人と、朗を襲った榊と言う男が同一人物だと、連絡があったのだ。
つまり、やはり龍太は、朗の知らない所で、朗の事件に巻き込んでいたと言う事だ。
被害者でしかないのに、自分のせいだと泣いていた龍太を思い返し、朗は小さく舌打ちをした。
『…それから、――これから、高藤さんともお会いします』
「―――弓彦と…? …そうか」
昨日城野が言っていた事を思い出し、立て続けに溜息の交じる返事を返す。
――もし、この事件に弓彦が関係していたとしたら、――例え間接的にと言えど、きっと胸を痛めるだろう。
そう考えてから、自分の考えに呆れて苦笑した。
(てめぇで散々傷付けといて――…)
そう、傷付けたのは自分だ。
そう思えば、あの榊と言う男が本当に弓彦のストーカーだったのならば、弓彦の代わりに朗に制裁を与えただけなのだと、渋々であれ、納得する事も出来る。
――しかし、それは、自分だけが被害に遭っていたらの話しだ。
龍太を巻き込み、城野を巻き込んだ事は、許す事は出来ない。
城野はまだ、偶々、偶然、一緒になってしまった上での事だけれど、龍太は完全に、意図を持って狙われたのだから、尚更だ。
『―――…阿倍野さん、聞いてます?』
「――…済まん、考え事をしてた」
強めの声で名を呼ばれてはっとした。
朗は、まだ話し中であった事を忘れて考えを巡らせていて、数言、小田の話しを聞き飛ばしていたらしい。
『――…いえ。…大した事では無いので、気になさらず。…ああ、そうだ。…友杉さんは、ちゃんとご自宅まで送りましたからね。――では、また何かあったらご連絡します』
「――ああ…、頼む」
ほんの少し、含みのある物言いだったけれど、小田はそれを誤魔化すように言葉を続ける。
朗は、返事とも付かない返事を返しながら、プツリと、電話を切った。

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似て無いにも程がある、端から端の双子ですよね。猪突猛進なのに後ろ向きって言葉に、全くその通りだと笑わせていただきました!
…時系列的に、そろそろ朗にも動きが無いと困るんですよね(ぇ)なのに何故動いてくれないんだ…ッ!!(くっ)
城野の退院までには事件も解決…つまり、二人にも進展がないと不味いと言うのにー!(笑)
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